がん克服【がんになった消化器外科医が語る】
- 2016年06月12日
- がんのお話
昨年3月、治療をしなければ余命半年と診断される
西村元一(にしむら げんいち)さん
金沢赤十字病院副院長
1958年 金沢市生まれ。1983年金沢大学医学部卒業、金沢大学病院勤務などを経て、2008年金沢赤十字病院第一外科部長、2009年から現職兼務。2013年から、がん患者や医療者が集うグループ「がんと向き合う会」代表。
肝転移を伴う根治が困難な進行性胃がんが見つかる
治療・病院の選択
まずは治療をするかどうか。するなら何れの病院で治療するか。私は自分の消化器外科医の経験から、最初に抗がん剤治療を行い続いて手術を受ける治療を選びました。病院は、家族の利便性なども考慮し、以前在籍ししていた金沢大学病院を選びました。
覚悟はしていましたが、抗がん剤治療が始まると、味覚障害や脱毛などの副作用が起き、毛が抜けることにはさすがに男性の私でもショックでした。それらの副作用に対処しながら予定していた2ヶ月間の抗がん剤投与を終え、治療の結果を判定した所、大した効果はなかったことが分かりました。このまま抗がん剤治療を続けても効果は期待できないと判断し、「今がんを切除するしかない」との思いが強く、手術をすることを決断しました。