がん克服【肺がん手術のスペシャリスト】
- 2016年06月04日
- がんの名医
鈴木健司(すずきけんじ)先生
順天堂大学医学部付属病院 呼吸器科教授
順天堂大学医学部・大学院医学研究科教授
1965年 東京都生まれ
1990年 防衛医科大学卒業
1991年 同 上 臨床研究医
1995年 国立がんセンター東病院レジデント
1999年 国立がんセンター中央病院スタッフドクター
2007年 同 上 医長
2008年 順天堂大学医学部呼吸器科教授
年間200例以上の肺がん手術をこなす
肺がんをメスで切り取る手術を最も得意とし、熟練テクニックを駆使し難度の高い手術をこなす。もちろん、がんを取り除くのが第一だが、体への負担を出来るかぎり減らすクオリティを追求する。
鈴木医師:肺がんと診断されたら、がんがどのくらいの大きさなのか、他の臓器まで広がっていないのかなどさらに詳しい検査を行い、がんの進行度合い(病期・ステージ)をきめる。病期は0期、1期(1A、1B)、Ⅱ期(ⅡA、ⅡB)、Ⅲ期(ⅢA,ⅢB)、Ⅳ期に分類され、肺がんは発見時点でステージⅢAかⅢBが多く、手術を受けられないケースも多いため「まずは早期発見が大事」定期的ながん検診をおすすめします。
肺がんの健診には胸部X線撮影、喀痰細胞診、胸部CTの三つがあり、それぞれの特徴はX線はがんがある程度大きくならないと映らない。喀痰細胞診は肺の入り口に出来るがんの発見に適しており、喫煙と深い関係のあるがんの発見に有効。胸部CTはどのタイプのがんにも有効で、特に腺がんの発見に役立ちます。
診療に関しては、患者の状態と意向を勘案して治療方針を決めており、手術に関しては体の負担が少なく、安全な手術を心がけています。また、がん治療には「手術・放射線治療・化学療法」を組み合わせた集学的治療が重要です。術後の補助化学療法のほか、がんが大きくて手術が難しい場合は化学療法や放射線療法でがんを小さくしてから手術をする場合もあります。高齢や合併しようなどで手術に耐えられない患者さんには、縮小手術やリンパ節切除の省略など、身体への負担が少ない方法で手術を行います。
他施設で断られた難しい手術も可能
鈴木医師は、肺がんをメスで切り取る手術を最も得意としている。手術は「肺葉切除」が国際的な標準治療となっているが、最近はさらに切除範囲を小さくした狭い単位で切除する「区域切除」と、もっと小さく切除する「部分切除」も多く行われるようになってきている。区域切除とは、右肺では10に、左肺では8に分かれている「区域」という単位でがんを取り除く方法。部分切除とは、がんを中心にして楔形に切除する方法で、がんをくり抜くように切り取る。いずれも肺の切除範囲が葉切除より小さく、患者の身体的な負担は軽減される。しかし、切除範囲が小さくなれば手術の難易度も増し、医師の技量が問われる。
鈴木医師は、「葉切除では体力や健康に問題ない人であれば6~10日ほどの入院を要するのが普通ですが、縮小手術はこれより数日間短縮でき、また仕事への復帰など社会復帰の期間短縮も十分期待できます。しかし、縮小手術は適応できる患者さんが限られますので、大きさや個数などがんの状態、患者さんの体力や健康状態にも大きく左右されるため、検討を重ねて治療法をきめています」と語る。
また、他施設で手術はを断られた難しい症例でも「患者さんや家族の皆さんと話し合い、手術によるリスクを説明し、共有できれば引き受けます」と言う。
累積症例数 2600例(肺がん切除例は1800例)
鈴木先生の診察を受けるには
鈴木医師の診療は月曜日。紹介状持参。無い場合は初回の会計事に「初診時選定療養費」として5400円(自費)が必要。
~がん克服~