がん克服【がん早期発見】がんリスクを評価


アミノサン濃度の変化を分析

血液中のアミノサンの濃度を測って、がんのリスクを評価するスクリーニング検査が、全国の医療機関で普及し始めている。初期発見の難易なすい臓がんの発見も期待される。血液から簡単に早期発見が可能なため、がん検診の一つとして期待が大きい。

全国1000ヶ所の医療機関で導入

人の体のタンパク質は、主に20種類のアミノ酸で作られている。健康な人血液の中にあるアミノ酸は一定に保たれているが、がんなど病気になるとその濃度バランスに変化がおこる。つまり、健康な人とがんなどの病気にかかった人とでは、血液中のアミノ酸のバランスが違ってくるわけだ。

その違いを健康な人とがん患者のデーターから解析して、がんのリスクを評価するんが「アミノインデックス・がんリスク・スクリーニングだ。食品メーカー大手の味の素が、10年程前から、全国の医療機関の協力を得て、約20000人の血液を分析して開発した。

現在検査できるがんの種類

現在この検査方法が適用されるのは、男性で、●胃がん●肺がん●大腸がん●すい臓がん●前立腺がんの五つ。女性では、●胃がん●肺がん●大腸がん●すい臓がん●乳がん●子宮がん●卵巣がんの七つのリスクが評価できる。

奈良県宇陀市の医療機関「グランソール奈良」は、昨年12月からアミノインデックスの検査を導入した。辻村貴弘院長は、「しっかりしているので導入した。これまでに400人ほどが受けた。早期発見、早期治療に結びつく検査法として期待している」と話す。

検査を受けた結果は、A,B,Cの三段階のランクで評価される。Aは健康な人とさほど差はないが、B,Cになるとがんのリスクは高くなる。例えば、「胃がんリスクC」と判断されれば、通常の人のがん有病率は約10倍と判断する。これを人数で表すと、C判断を受けた98人のうち1人ががんの可能性があるという。同じ胃がんでも、ランクBだとがんにかかっているリスクは低くなり、625人のうち一人という確率になる。リスクBの人は、通常のがん検診を勧められる他、運動、野菜・果物の摂取などがん予防につながる生活改善などの指導が行われる。

がんのリスクの高い人を見つけ出す

この検査法を、当初から共同研究してきた足利工業大学看護学部長の山門実さんは、「この検査は、がんのリスクの高い人(ハイリスク群)を見つけ出す方法として有効だ。日本では、がん検診を受ける人ん比率が世界的に診ても低い。血液を調べるだけで見つけ出せるので検診者の増大につながれば」と話す。

特にすい臓がんに注目

最近、特に注目されているのがすい臓がん。手術が可能な段階の患者と思い進行がんの患者のアミノ酸濃度が同じようなパターンを示すことがわかり、今年6月に開催された日本膵臓学会で、すい臓がんの早期発見法としての成果が「臨床研究部門賞」を受賞した。すい臓がんは早期発見が難しいだけに今後の期待は大きい。

すでにある健診と組み合わせる方みある。大腸がんの場合、便の中に血が混じっているかを調べる検査がある。この検査で異常なしと判断されても、アミノインデックスではランクCというケースもありうる。血便検査で陽性の上、アミノインデックスでもランクCなら、がんのリスクは一段と高くなる。

問題は、現在アミノインデックス検査には保険が適用されないことだ。医療機関によって差はあるが、自己負担額は約2万円程だ。予防医療に力を入れる神奈川県は、今年9月から、自己負担を軽くするため、補助金を出すようにした。がんを減らす社会を目指し、保険適用を早期に実現出来るようにお願いしたい。

~がん克服のために~

 

 

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