がん克服【広がる「がん教育」】学校現場で広がっているー
- 2016年09月08日
- がんのお話
病気の正しい知識・命の大切さ学ぶ
7月中旬、京都府精華町立精華小学校で6年生105人を対象に、府のがん教育「命のがん教育推進プロジェクト」が行われた。府の職員で京都府立医大の楳村(うめむら)敦詞医師が児童たちに語りかけた。「日本人は2人に1人ががんになると言われています。怖いとも言えるけど、身近で身近な病気ですよ。」イラストを使いながら、がんは体のさまざまな部位に発症すること、禁煙や規則正しい生活習慣を身に着ける事ががん予防のつながるなど、丁寧にやさしく話した。
さらに、「それでも100%防ぐことはむずかしいんですよ」と話すと、児童たちは不安な表情を浮かべた。「でも、検診で早くがんが見つかれば治療で完治することもあります。家族や大切な人に、《検診は大事だよ》と伝えてあげて」と呼びかけた。
続いて、胃がんの体験者(元中学教師井上文雄さん=66歳)が、患者の立場から体験談を語り、「がんを体験し、私は命を大切にしたいと思いました。みんなも命を大切にして下さい」と語った。
来年度、全国で実施
「がん対策推進基本計画」には「がん教育」推進の検討と実施が盛り込まれている。これにより、がん教育は17年度から全国の学校で実施されることになっている。文部科学省の検討会が15年3月に出した報告書では「がんについて正しく理解できる」「健康と命の大切さを考えることが出来る」ことを目標としている。具体的な教育内容は①がんの要因と経過②予防③早期発見・検診④治療法⑤患者に対する理解・・など。
神奈川県では、14年度から実施
来年度からの実施に向け、文部科学省は14年度から全国でモデル事業を始め、今年度は26都道府県・政令都市が取り組んでいる。4月には授業教材も作成された。
神奈川県では、14年度からモデル事業としてがん教育を実施している。県が、教材の作成や教員への講習会開催などを行い現場の負担軽減を図り、がん教育が継続的に行える環境作りに取り組んでいる。