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がん克服【希少がん患者が連携】


がん対策基本法が成立してから10年

 がん対策基本法は、故・山本孝史参議院議員が尽力し10年前に議員立法で成立した。山本議員は、2006年5月の国会質問で自らの病を明かして基本法の必要性を訴えた。その情熱は大きな反響を呼び、翌月の成立に結実した。その山本氏は2007年基本法成立1年後に他界する。

 故・山本氏と同じ「胸腺がん」の患者会が「患者の少ないがん患者同士で繋がろう」と呼びかけを始めた。胸腺がんや胸腺腫は、患者が20万人に1人と少ない。基本法によってがん医療の改革は進んだが、患者らは「希少がんは今も医療機関や治療法の情報が少ない。患者同士で良い治療環境を求めたい」と話す。

故・山本議員の妻らが呼び掛ける

 患者会は昨年10月に発足。名称「ふたつば」(本部秋田県湯沢市)。山本氏の妻ゆきさん(65)も参加する。胸腺腫を患う近藤セツ子さん(61)は「大半の患者が同じ患者にあったことがない。お互いに連絡しあい、話すことで不安解消にもつながる」と話す。

がん対策基本法

 がん治療の向上や患者への情報などを定めたがん対策に関する初めての法律。与野党の議員提案で2006年6月に成立、2007年4月に施行された。がん患者に対し、全国どこでも適切な治療が受けられるように気にや自治体が取り組むことを求めている。

 ~がん克服~

がん克服【尿でがん検査】検査が簡易に


日立と住商で検査新技術開発

 日立製作所と住友商事グループは14日、がんにかかっているかを尿検査で判別する技術を開発したと発表した。現在は血液検査で判別するのが主流だが、尿検査は簡易で費用も安くなるそうだ。臨床データーを積み上げて実用化を目指す。

 大腸がんと乳がんの患者、健常者を各々15名ずつ調べた。尿に含まれる1300種類の老廃物を解析した所、大腸がんと乳がんの患者は特定の老廃物が増殖していた。がん患者かどうかの判断と、大腸がんか乳がんかの判別も明確にできたという。検査すべき老廃物も10種類程度にまで絞り込めており、関連技術をを複数特許申請した。

 現在は、基礎研究段階のため検査結果が出るまで数日かかるが、すぐに検査結果が分かるように簡易な方法を研究中。開発関係者は記者会見で、「早期発見につながるほか、治療後に再発していないかのチェックにも役立つだろう」と話した。

がん克服【がんになった消化器外科医が語る】


昨年3月、治療をしなければ余命半年と診断される

西村元一(にしむら げんいち)さん

金沢赤十字病院副院長

1958年 金沢市生まれ。1983年金沢大学医学部卒業、金沢大学病院勤務などを経て、2008年金沢赤十字病院第一外科部長、2009年から現職兼務。2013年から、がん患者や医療者が集うグループ「がんと向き合う会」代表。

肝転移を伴う根治が困難な進行性胃がんが見つかる

治療・病院の選択

 まずは治療をするかどうか。するなら何れの病院で治療するか。私は自分の消化器外科医の経験から、最初に抗がん剤治療を行い続いて手術を受ける治療を選びました。病院は、家族の利便性なども考慮し、以前在籍ししていた金沢大学病院を選びました。

  覚悟はしていましたが、抗がん剤治療が始まると、味覚障害や脱毛などの副作用が起き、毛が抜けることにはさすがに男性の私でもショックでした。それらの副作用に対処しながら予定していた2ヶ月間の抗がん剤投与を終え、治療の結果を判定した所、大した効果はなかったことが分かりました。このまま抗がん剤治療を続けても効果は期待できないと判断し、「今がんを切除するしかない」との思いが強く、手術をすることを決断しました。

 

がん克服【肺外科手術の歴史に名を刻んだ名医】


岡田守人(おかだ もりひと)先生

広島大学病院 呼吸器科教授

1962年 兵庫県生まれ                              

1988年 奈良県立医科大学卒業

1995年 神戸大学大学院医学系研究科(循環呼吸器科)終了(医学博士) 

1999年 米国ニューヨーク・コロンビア大学胸部心臓外科研究員

2002年 兵庫県立がんセンター医長

2003年 同     センター科長

2007年 広島大学病院 循環器科教授

肺がんハイブリッド胸腔鏡手術の名医

 わずか4cmだけの開胸で肺がんを切除する。その技術は助骨一本も傷つけない、身体に負担の少ない手術で、手術1ヶ月後にはゴルフのスイグができると言われる。世界でも屈指の技術で、日本だけでなく海外からも招聘されて手術・指導を行っている。

肺がんなどの手術を行う胸部外科医の教科書的な書籍にその名を残す

  岡田医師が編み出した、ハイブリッドVATSという技法は肺の部分摘出で、肺活量を少しでも維持する治療法で、その技法は胸部手術の教科書とされている書籍に記載され、胸部外科手術の新技法(の名医)として名を残す。

岡田先生の心構え

素晴らしい人間性

 私は2007年4月に腫瘍外科教授として着任いたしました。伝統あるがん専門の診療科として広島の中核的な役割を担い、私の専門とする肺がん・呼吸器外科はもちろん、乳腺内分泌外科、一般消化器外科のがん検診を世界的な科学的根拠に基づいて行います。目標は「超一流の向こう側」です。日本の腫瘍外科領域のオピニオンリーダーとして、特に呼吸器外科領域では機能温存手術(縮小手術、気管支血管形成術)、低侵襲手術(胸腔鏡アプローチ)中皮腫診療(胸膜肺全摘手術を含めた集学的治療)で、常に最新の情報を世界に向けて発信を続けています。

 我々を頼ってこられる患者さんに、最先端・最高レベルの手術を含めた医療の提供をすること、決して妥協しない姿勢で新しい治療法にチャレンジする事、実際の診療に直結する難治がん克服のための研究を実践することを常に考えています。さらに、次世代を担う高いモチベーションを持つ腫瘍外科医を育てることが私の責務です。そのためにはまず自らが模範になるような外科医になること。すなわち若い外科医たちの目標になることが必要です。自分自身が温かみのある人間性と深く体系的な知識、納得させるに足りる技術、そして自らの反省、深い洞察力、強い向上心を示さなければならないと考えています。

 当科でトレーニングを受けられる若い医師が、腫瘍外科専門医として臨床実地医療の場で多くの患者さんに真に信頼され、近い将来、世界に羽ばたいてほしいと切に願っています。

~がん克服~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

がん克服【呼吸器外科のスーパードクター】


伊達洋至(だて ひろし)先生

京都大学医学部付属病院呼吸器外科教授

1984年 岡山大学医学部卒業 同大学院医学部第二外科入学
1988年 大学院卒業
1989年 ワシントン大学胸部外科肺移植研究生
1993年 岡山大学医学部附属病院第二外科助手
1993年 クリーブランドクリニック胸部外科フェロー
1994年 ワシントン大学胸部外科移植フェロー
2002年 岡山大学医学部第二外科講師
2004年 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腫瘍・胸部外科助教授 
2006年 同 上 教授 
2007年 京都大学大学院医学研究科器官外科学講座呼吸器外科学教授 

外科専門医 呼吸器外科専門医 がん治療認定医 日本移植学会認定医

患者さんに信頼される医師になる

 外科は、自分の腕次第で患者さんの命を直接左右する医療です。その責任は重く、一流の外科医になるためには、厳しい習練が必要です。しかしながら「先生に手術してもらいたい」「先生に手術してもらって本当に良かった」という患者さんの言葉を聴くとき、外科医になって本当に良かったと感じます。患者さんに信頼される呼吸器外科を目指しています。

実績 手術例3000以上

 伊達先生は、これまでに進行肺がんや肺移植の手術を約3000例も手掛け、その成績も世界的に飛びぬけています。肺の外科手術において卓越した技術を持っていますが、中でも肺動脈(極めて薄い上に血流が多く、正確に縫わないと大出血に繋がる難しい、血管心臓と肺をつなぐ動脈)の縫合を通常の半分程度の時間でやり遂げるのは圧巻です。

 数々のメディアでも紹介されていますが、2010年にNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で紹介され、大きな反響を呼びましたが、その後も活動を続けられ、2013年12月2日に再度同番組に取り上げられられました。

 伊達先生の元には、他の病院で手術が難しいと言われた患者が多数訪れています。      また、藁をもつかむ思いでいる患者に対して、毎日時間を見つけては気さくに病室を訪ね、朗らかな笑顔で接し、心をほぐしています。

 医療技術のみならず、ホスピタリティマインドにも富む。まさにスーパードクターと呼ぶにふさわしい診療日々を行っています。

がん克服【肺がん手術のスペシャリスト】


鈴木健司(すずきけんじ)先生

順天堂大学医学部付属病院 呼吸器科教授

順天堂大学医学部・大学院医学研究科教授

1965年 東京都生まれ

1990年 防衛医科大学卒業

1991年 同 上   臨床研究医

1995年 国立がんセンター東病院レジデント

1999年 国立がんセンター中央病院スタッフドクター  

2007年 同 上         医長

2008年 順天堂大学医学部呼吸器科教授

年間200例以上の肺がん手術をこなす

 肺がんをメスで切り取る手術を最も得意とし、熟練テクニックを駆使し難度の高い手術をこなす。もちろん、がんを取り除くのが第一だが、体への負担を出来るかぎり減らすクオリティを追求する。

鈴木医師:肺がんと診断されたら、がんがどのくらいの大きさなのか、他の臓器まで広がっていないのかなどさらに詳しい検査を行い、がんの進行度合い(病期・ステージ)をきめる。病期は0期、1期(1A、1B)、Ⅱ期(ⅡA、ⅡB)、Ⅲ期(ⅢA,ⅢB)、Ⅳ期に分類され、肺がんは発見時点でステージⅢAかⅢBが多く、手術を受けられないケースも多いため「まずは早期発見が大事」定期的ながん検診をおすすめします。

 肺がんの健診には胸部X線撮影、喀痰細胞診、胸部CTの三つがあり、それぞれの特徴はX線はがんがある程度大きくならないと映らない。喀痰細胞診は肺の入り口に出来るがんの発見に適しており、喫煙と深い関係のあるがんの発見に有効。胸部CTはどのタイプのがんにも有効で、特に腺がんの発見に役立ちます。

 診療に関しては、患者の状態と意向を勘案して治療方針を決めており、手術に関しては体の負担が少なく、安全な手術を心がけています。また、がん治療には「手術・放射線治療・化学療法」を組み合わせた集学的治療が重要です。術後の補助化学療法のほか、がんが大きくて手術が難しい場合は化学療法や放射線療法でがんを小さくしてから手術をする場合もあります。高齢や合併しようなどで手術に耐えられない患者さんには、縮小手術やリンパ節切除の省略など、身体への負担が少ない方法で手術を行います。

他施設で断られた難しい手術も可能

 鈴木医師は、肺がんをメスで切り取る手術を最も得意としている。手術は「肺葉切除」が国際的な標準治療となっているが、最近はさらに切除範囲を小さくした狭い単位で切除する「区域切除」と、もっと小さく切除する「部分切除」も多く行われるようになってきている。区域切除とは、右肺では10に、左肺では8に分かれている「区域」という単位でがんを取り除く方法。部分切除とは、がんを中心にして楔形に切除する方法で、がんをくり抜くように切り取る。いずれも肺の切除範囲が葉切除より小さく、患者の身体的な負担は軽減される。しかし、切除範囲が小さくなれば手術の難易度も増し、医師の技量が問われる。

 鈴木医師は、「葉切除では体力や健康に問題ない人であれば6~10日ほどの入院を要するのが普通ですが、縮小手術はこれより数日間短縮でき、また仕事への復帰など社会復帰の期間短縮も十分期待できます。しかし、縮小手術は適応できる患者さんが限られますので、大きさや個数などがんの状態、患者さんの体力や健康状態にも大きく左右されるため、検討を重ねて治療法をきめています」と語る。

 また、他施設で手術はを断られた難しい症例でも「患者さんや家族の皆さんと話し合い、手術によるリスクを説明し、共有できれば引き受けます」と言う。

累積症例数 2600例(肺がん切除例は1800例)

鈴木先生の診察を受けるには

 鈴木医師の診療は月曜日。紹介状持参。無い場合は初回の会計事に「初診時選定療養費」として5400円(自費)が必要。

~がん克服~

 

がん克服【食道・胃・大腸・肝臓がん手術の大家】最先端技術を導入


桑野博行(くわの ひろゆき)先生

群馬大学医学部病態総合外科学(第一外科)教授

1952年 福岡市生まれ

1978年 九州大学医学部卒業 第二外科入局

1984年 米国ハーネマン大学医学部留学 

1985年 九州大学医学部大学院修了

1986年  同     助手

1994年  同     講師

1997年  同     助教授

1998年 群馬大学外科学第一講座教授

基礎研究から臨床まで非常に豊富な知識を持つ専門家

 食道がんの鏡視下手術(回復しないで手術)で、日本トップの症例数を誇る国立がん研有明病院の渡邊雅之先生はこう言って推奨する。

 食道がん治療ガイドラインに基づいた診療方針を遵守し、高い治療成績を維持しつつ患者さんの心と体に優しい内視鏡治療や低侵襲手術などに積極的に取り組んでいる。また内科医や放射線科医とともに理想的な集学的治療を実現し、ポシドロン断層撮影検査(PET)や光線力学療法(PDT)などの最新映像診断や治療設備による診断体制を行い、世界トップレベルの治療成績を上げている。

年間執刀数 食道がん45例 胃がん40例 大腸がん30例 肝がん20例 肝移植手術      10例

累積手術数 食道がん1400例 胃がん600例 大腸がん500例 肝がん200例                                      肝移植手術40例

診察の心が

 ①患者さんの立場に立って同じ目線で対応する。②常に医療技術と知識を磨き、それを分かりやすく伝える。③患者さん本人、ご家族そして医療スタッフの全てが一つのチームとなって診療をする体制を整える。④常に誠意をもって正直に対応する。

手術の心がけ

 ①常に万全の体調と心で臨むこと。②常に冷静に対処すること。③周囲と調和した手術の環境を心がけること。

~がん克服~

がん克服【大腸・直腸がんのスペシャリスト】


渡邉聡明(わたなべ としあき)先生

東京大学医学部付属病院副院長 腫瘍外科教授 大腸肛門外科科長

1957年 長野県生まれ

1985年 東京大学医学部卒業 第一外科研修医

1993年 国立がんセンター中央病院チーフレジデント

1994年 東京大学第一外科助手

1995年 米国ジョンズ・ポプキンス大学留学

1997年 東京大学病院腫瘍外科助手

1998年  同 大 講師

1999年  同 大 助教授

2006年 帝京大学 教授

2012年 東京大学 腫瘍外科学教授

2013年 同 大  腫瘍外科学・血管外科学教授

2013年 同 大 附属病院副院長

通算手術数2500例以上の実績

 渡邉医師は、大腸・直腸がんの機能性温存・低侵襲手術のスペシャリスト。その手術数は2500例以上を数える。ほとんどの手術を腹腔鏡下に行い、最先端のロボット手術にも積極的に取り組んでいる。肛門温存・機能温存に注力しており、欧米で行われている「術前放射線療法」を直腸がんの集学的治療として早くから導入し、その治療数は400例以上で国内最多である。国内外の臨床試験などで実証された標準治療をまとめた権威ある「大腸がん治療ガイドライン」の作成委員会の委員長でもある。

診療を受けるには

 基本的には紹介状が必要だが、無い場合も受診可能(要相談)。初診で外来を受診する場合は予約が必要。

~がん克服のために~

がん克服【高額化進む:がん新薬】


新薬一つだけに年2兆円の医療費

 問題の新薬は、新しいタイプのがん治療薬「オプジーポ(一般名ニポルマブ)」だ。

 がん細胞を直接破壊する従来の抗がん剤とは異なり、がん細胞が掛けた免疫のブレーキを解除して、免疫力を回復させがんを攻撃する。当初の治療対象だった皮膚がんの悪性黒色腫だけでなく、昨年12月から患者の多い1部の肺がんにも公的保険が適用されるようになった。

 一方、オプジーポにかかる膨大な医療費は公的保険制度を脅かしそうだ。日赤医療センター化学療法科の国頭(くにとう)英夫部長の試算によると、標準的な体格の人にオプジーポを投与すると一人当たり年3460万円かかる。対象となる肺がん患者5万人全員に投与した場合、年間2兆円ほどかかる。これは、現在の日本の薬費全体の2割に達する額だ。国頭部長は、「肺がんへの適用拡大後、オプジーポの売り上げは急激に伸びており、このままでは国が亡びかねない」と危惧する。

高額の薬の適用拡大に疑問

 ある医師は、「コストを考えずに薬を使い続けて、将来の世代に負担を先送りする今のシステムでは立ちいかなくなる」と語る。毎日新聞が実施したがん患者30団体へのアンケート調査でも、「高額医療制度があっても、患者負担は多すぎる」と、がん治療薬の高額化を問題視する意見が約半分を占めた。

 薬価の決め方も問題だ。薬価の決め方は一般に、薬の開発などにかかった費用に一定の利益を上乗せし、その総額を推定される患者数で割ったものを、厚生労働相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」が了承する・・というのが大まかな流れだ。オプジーポは当初、悪性黒色腫という患者数が年470人と極めて少ない皮膚がんを対象にして薬価がついた。患者が少ないため、高額になった。では、年間5万人の肺がん患者に適用するとなったら、価格は1万分の1で良くないか。薬剤会社が儲かって、国民の保険料が増えるのは何かおかしい。

 ~がん克服~

 

 

がん克服【治療と就労両立支援】


働く人に支援策

 厚生労働省は2月、がん患者らが治療と仕事を両立できるように支援する事業所向けのガイドラインを発表し「時間単位の休暇制度や時差出勤制度の導入」「医療機関との連携」などの支援策を盛り込んだ。5年生存率は6割近くになり、通院しながら働く人は32.5万人と言われる。一方、診断時に働いていた人の25%ほどが退職との調査結果もある。

療養中に復帰計画

 「毎年健康診断を受ける事の大切さがよくわかった」。生活協同組合コープみらいのAさん(男性59歳)は、店長として働いていた昨年5月、職場の診断で異常が見つかり、7月に初期の胃がんと告知され、8月に入院し胃の2/3を摘出した。

 コープみらいは2010年度、病気で休職した職員向けに最長2年の復職支援制度を設けた。Aさんは自宅療養の間に、産業医や人事担当者と面接を重ね計画を立てた。勤務先を自宅に近い店舗に変え、昨年10月からリハビリ訓練を始めた。勤務日数を週3回から徐々に増やし、今年1月から副店長として勤務に復帰。月一回、有給休暇を取り通院する。

 コープみらい労働安全衛生課の深井好子さんは「胃がんの術後は食事量と内容の管理が難しい。早期復帰を目指す人の意欲を尊重しつつ、無理のない計画を考えた」と話す。

誰もが働ける環境整備を                                       

 東京都内の家電メーカーに勤めるBさん(女性47歳)は、13年に乳がんと診断された。1年休職して抗がん剤治療や手術を受け、半年の時間制限勤務を経て、今は通常通り働く。休職中の仕事は同僚が数人で引き継ぎ、「病名は伏せたい」との希望もかなえられた。上司がいつも「無理しないで」と言ってくれたことにも救われた。

 AさんBさんの場合は、会社がよく対応したケースだが、パートや派遣など非正規雇用などでは、契約打ち切りが心配で休めない人も多い。誰でもが病状に応じ、働ける環境つくりが望まれる。

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