がん克服 【簡単に早期発見】 ーがん受診率アップのためにー
- 2015年10月29日
- がんニュース
血液、唾液でがん早期発見 ~国が支援~
昨年度から国の支援で、健康診断の採決で早期がんを見つけようというプロジェクトが、国立がん研究センターを中心に9機関が参加して進められている。現在、がん検診の受診率が伸び悩んでいるが、血液や唾液で早期発見することが出来ると受信者の負担が少なく、しかも簡易にがんを発見できる。血液などに含まれるがんとかかわる物質は「腫瘍マーカー」と呼ばれ、約40種類見つかっているが、今までは主に進行がんの治療効果を判断するために使われてきた。これをもとにして、がんの早期発見につなげることはできないか。
発症で変動する物質
プロジェクトが標的にするのは、細胞から分泌される「マイクロRNA]とよばれる物質。ヒトのマイクロRNAは2500種類以上あり、血液を調べると300~500種類見つかる。がんになると、その種類や量が変動する。カプセル状の小胞に包まれているため血液中でも分解されず、高速度で検出できる利点があるという。
がんの種類によって特徴的に見つかるマイクロRNAがあり、これらを検出できれば、がんの種類の判別も可能になる。プロジェクトはさまざまながんを一度に調べられる技術の開発をめざし、すでに1万5千人分以上の保存血液を分解した。プロジェクトの責任者である同研究所の落合孝広・主任分野長(分子細胞治療研究)は「乳がんと大腸がんは関係するマイクロRNAの特定を終えており、8~9割の高い精度で診断できるレベルになってきた。体外診断薬としての承認を得るための臨床試験を準備中だ。来年中の承認を目指す」と話す。
承認が得られれば、健康診断の場で早期がんの」スクリーニングも試みる計画。
厚生労働省が科学的根拠があるとして市町村に推奨するがん検診は、肺がん、胃がん乳がんのX線検査、大腸がんの弁検査、子宮頸がんの5種類。だが、負担感持つ人が多く、受診率は伸び悩む。このため、簡易ながん検査の実現への期待は大きい。
東京医科大・慶応大医学部のグループでは
難しいすい臓がんでも
東京医科大や慶應大学などのグループでは、唾液の検査ですい臓がんを見つける技術を報告している。すい臓がんは早期発見が極めて難しいがんだ。グループは、がん細胞が正常な細胞とはエネルギーの代謝法が異なることに注目、がん患者の唾液や血液に含まれる数百の代謝物を網羅的に解析して、健康な人との比較研究を進めてきた。
この結果、膵臓がん患者の唾液中で、濃度が上昇する代謝物を発見した。測定方法を改善し、ステージ1の早期がんの人でも濃度の上昇が確認できた。がん切除後は、この代謝物の濃度が低下する人が多いため、がん細胞から排出されているかをを調べている。
グループの砂村真琴・東京医科大学兼任教授は、外科医として進行した膵臓がんの患者を多く見てきた経験から早期発見の重要性を痛感してきた。「唾液は採取が簡単。早く大規模臨床を実施し、がん患者のために実用化を目指したい」と話す。
呼吸でも・・研究が進む
呼気の成分で健康管理や病気の発見はで来ないか。物質・材料研究機構が開発した小型で高性能の臭覚センサー技術を基に、京セラや日本電気などが参加する共同研究体制が9月に発足した。これまでの研究で頭頸部のがん患者と健康な人の呼気の成分の違いを識別できた。センサーを開発した同機構の吉川元起・研究者は「企業などが持つ解析技術などを統合しどこまでできるか検証したい」と話すす。
近い将来、全てのがんが唾液・血液・呼気で
早期発見が可能に
まだまだ黎明期であるが、唾液・血液・呼気等で各種がんの早期発見に対しての研究は進行している。この研究の臨床試験が終了し、早期発見が実現すれば、かんでの死亡率は極端に低下するはずだ。大いに期待したい。
~がん克服のために~
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