がん克服 【乳がん検診希望者急増】


北斗さんの手術後3倍に

タレントの北斗昌さん(48)が9月下旬、乳がんで右乳房の全摘手術を受けたことをきっかけに、乳がん検診の希望者が急増している。早期発見早期治療で死亡率が下がる場合もあるが、専門家は「健診の不利益も知った上で受診の判断をしてほしい」と呼びかけている。

今月14日、健診の為東京都世田谷区の保健センターを訪れた同区のパート勤務の女性(54)は、「北斗さんの報道を見て健診を予約した。人ごととは思えない」と話す。同センターによると、北斗さんの報道があってから、健診予約が通常の3倍に増加した。都内の乳がん検診・治療専門クリニックはホームページ上に「現在当院はかなり混み合っています」と掲載。「9月下旬から予約の電話が殺到し、現在は電話がつながりにくい状況」という。

自治体への問い合わせも増えている。大阪市健康つくり課によると、市のがん検診専用電話への予約や問い合わせは通常一日約30件だったが、9月下旬以降1日約100件に急増し、約180件の日も。国が推奨する「2年に1回」という受診ペースについて「毎年受けなくてもいいのか」という問い合わせも多いという。

賢く健診と付き合う

こうした動きに対して聖路加国際病院(東京都中央区)放射線科乳房画像診断室の角田博子室長は「検診を受けていれば絶対に大丈夫と考えないで」と呼びかける。がんにはさまざまな種類があり、進行が非常に速いがんは、検診による早期発見が難しい場合が在る。進行が非常に遅く、生きている間に症状が表れないがんは、検診で発見されると本来必要のない治療を受ける「過剰診断」となる恐れもある。

また結果的には良性腫瘍でも精密検査の負担が大きい「偽陽性」の問題もある。X線を乳房に照射するマンモグラフィー検査を必要以上に受けると放射線被ばくによる乳がんの誘発リスクも生じる。角田室長は「検診の利益と不利益を正しく知り、賢く健診と付き合ってほしい」と話す。

~がん克服のために~

 

 

 

 

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