がん克服【子宮頸がんワクチン後遺症】提訴


国とワクチンメーカーの責任を問う

 子宮頸がんワクチンの接種後に健康被害にあった女性(15歳~22歳)が27日、福岡、大阪、名古屋、東京の地裁に、国とワクチンメーカーの責任を問う集団訴訟を起こす。その一人、山梨県の高校3年望月瑠菜(もちずき るな)さんは、小学6年だった2010年から11年3月にかけて、ワクチンを3回接種した。中学1年の9月頃から膝に痛みが出て、卒業のころには全身が痛むようになった。

「元の体に戻して」切実な願い

 異変が起きたのは高校1年の夏休み。車から降りようとしたとき、突然脱力感に襲われ足に力が入らず、翌日には全く歩けなくなってしまった。整形外科、脳神経外科、など10ヶ所以上の医療機関を受診したが原因は分からなかった。リハビリに通っていた医療機関で、ワクチンが関連する可能性を指摘され、信州大学で診察を受けたところ15年5月に「ワクチン接種による副作用」と診断された。

 一時は箸やペンも持てないほど手が震え、今でも体調不良で学業もままならず「このままでは日々の生活にも支障をきたす。楽しいはずの高校生活も辛い思いが先に立つ。元の体に戻りたい。」と、切実な思いで裁判に臨む。

厚労省の対応が遅い

 厚労省の検討部会は14年、ワクチン接種後の症状について「心身の反応によるもの」との検討結果をまとめる一方、健康被害(副作用)を訴える患者を診る協力医療機関を整備し、研究班を作って治療法の開発などを急いでいる。

 ワクチンメーカーが推計する14年11月までの接種者数は約338万人。副作用報告があったのは2584人で、厚労省の追加調査では、このうち186人の症状が回復していない。人生を左右するほどの健康被害に対し、メーカーも厚労省も対応が遅い。早急に被害者の身になって適切な対応・救済をするべきだ。

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