がん克服 【がん細胞を効果的に攻撃繊維開発】
- 2013年07月05日
- がんニュース
毎日新聞2013年6月15日 朝刊
物質・材料研研究員チーム 〈局所治療で副作用軽減〉
がん細胞に直接貼って、がん細胞を効率的に攻撃する繊維を、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)の荏原充宏研究員らのチームが開発したと14日発表した。熱と抗がん剤を組み合わせた。局所的な治療で、抗がん剤の副作用の軽減が期待できるという。
同日付きの独科学誌「アドバンスト・ファンクショナル・マテリアルズ」(電子版)に掲載された。
チームは、温めると収縮する数ナノ(ナノは10億分の1)の高分子を束ねて1本直径500ナノの繊維を作り、メッシュ状にした。それに、磁場をかけると発熱する磁性流子と、一般的な抗がん剤を含ませた。
磁場をかけると温度は43~45度に上がり、がん細胞を弱らせると同時に、収縮した繊維から抗がん剤がしみ出す仕組みとなっている。
皮膚がんの培養細胞で実験したところ、何もしない場合は2日後に57%増加したが、抗がん剤だけ使うと74%減少、メッシュをのせて磁場をかけると81%減少した。
再発防止のためにがん細胞を切除した後に内臓や皮膚の表面に張ると効果的という。今後のがん治療に期待が持てそうです。
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