がん克服【がん10年生存率初集計】


全がん協(全国がんセンター協議会)が公表

 全国32のがん専門病院でつくる「全国がんセンター協議会」が1999~2002年にがんと診断され治療を受けた人の10年後の生存率を初めて集計し、公表した。全体の10年生存率は58,2%。肝臓がん・肺がん・乳がんなどは、5年目以降も生存率が下がっており、長期にわたる定期的な健診が必要とされることが示された。

再発の可能性は、何年経過してもある

 がんの生存率は治療を示す指標で、これまでは5年生存率が公表されていた。10年生存率は16施設の約3万5000の症例を基に算出し、部位別に1~10年目の経過やステージ(病期)ごとのデータも示した。

 部位別の10年生存率は●食道29,7%●胃69,0%●大腸69,8%●肝臓15,3%●すい臓4,9%肺33,2%●乳房80,4%●子宮頸部73,6% など。

 国内の患者数が多い「5大がん」を見ると、胃がんや大腸がんは診断から5年を過ぎた時点の生存率が約70%で、そのままさがらなかった。これは、5年経てば再発の危険性が大幅に減る事を意味する。一方、乳がんは5年後が約90%、10年後が80%と下がる。肝臓がんも5~10年の間で生存率が約3割から2割以下。肺がんも約4割から3割に低下した。

5大がんのステージ別10年生存率(%)

 部位     1期    2期   3期   4期      手術率

 胃がん   95,1  62,7  38,9   7,5         73,5  

 大腸がん  96,8  84,4  69,6   8,0         89,0

 乳がん   93,5  85,5  53,8  15,6         96,3

 肺がん   69,3  31,4  16,1   3,7         48,5

 肝がん   29,3  16,9   9,8   2,5         27,2

 千葉県がんセンターの三上春夫予防センターは「何年経っても再発の可能性があり、定期的な受診が大切」と語る。

 ただ、これらは10年以上前の患者のデーターで「今は治療法の選択肢も増えていて、数値が改善される可能性がある」(国立がん研究センター)という。

 集計結果は全がん協のホームページ(http://www.zengankyo.ncc.go.jp/)で公開され、別の約14万7000症例を基にした5年生存率も見ることができる。

 データーをまとめた群馬県立がんセンター前院長は「患者さんには医師と話し合う資料として使ってもらえれば」と話す。

~がん克服のために~

 

 

 

 

 

 

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