がん克服 【乳がん治療に重粒子線治療】


2013年5月20日 毎日新聞 夕刊

放射線医学総合研究所(千葉市)は20日、60歳以上の早期乳がん患者を対象に、粒子線でがんを狙い撃ちする「重粒子線治療」の臨床試験を始めると発表した。国内では初めて。対象者を約20名募集する。

重粒子線治療は、専用の加速器で光速の約85%まで加速した炭素のイオンを患部に照射する治療法。X線を使った放射線治療とは違って、がんだけを狙い撃ちするため、副作用がほとんどなく、患部への負担が少ない。乳がんは乳房の固定が難しく、導入が遅れていた。

今回の臨床試験では、60歳以上、大きさが2cm以下の早期乳がんでリンパ節への転移がなく、がんが局所に限られる「低リスク」の患者が対象。最初の試験では、3グループに分けて異なる照射線量をそれぞれ1週間に4回照射し、適切な線量を決定。次の段階で特定の線量を全員に照射して、がんへの有効性を確かめる。

乳がんは国内で年間5万人が発症している。このうち今回の対象となるのは推定で7000人。

若い患者に比べ、合併症のため手術ができなかったり、患者自身が手術以外の治療を希望したりするケースが多く、負担の少ない治療法の開発が求められている。

研究代表の唐沢久美子し室長(放射線治療学)は「臨床試験を実施して症例を集め、乳がんの重粒子治療線治療を確立したい」と話す。

臨床試験に参加するには同研究所の審査があるが、治療に伴う費用の負担はない。

乳がん治療に対する「新たながん治療方」として期待されます。

 

 

 

 

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