がん克服 【平熱37度が健康体をつくる】


吉村尚美(よしむら なおみ)先生

クリニック真健庵院長

熊本県生まれ。昭和57年東京女子医科大学医学部卒業。63年熊本大学医学部大学院終了後、放射線科専門医・高濃度ビタミンC点滴療法専門医などの資格を取得。平成13年に静亜鉛三島市に吉村眼科内科医院を開業。26年12月東京港区高輪にクリニック真健庵を開業。がん、生活習慣病などの難病に苦しむ患者の治療と予防医学を行っている。35年間で癌や難病の患者を1万人以上診てきた。がん・心筋梗塞・脳梗塞・糖尿・高血圧等の患者の来院が後を絶たない。

真健庵の意味

吉村先生は、開業する医院の名前を「クリニック真健庵」と命名した。それは、「真剣に健康を考える所」というコンセプトのもと、患者自身が自分の体の真実を知って、心身ともに本来の健康を取り戻す・・。癒しの空間を提供するため、最先端医療機器を取りそろえる一方、囲炉裏(いろり)や日本庭園、キッチン、食卓など病院でなく家にいるような雰囲気を醸し出している。

平熱37度の意味

吉村 人間が生命活動を維持するために重要な酵素は、37度で最も活性化すると言われています。また、ほとんどの病原菌が37度の体温では死滅することも分かっています。

ところが、最近では平熱が36度を下回る低体温の人が非常に多くなりました。これは数字を見ると一目瞭然で、1957年の統計では36.89度だった日本人の平均体温は、今は36.2度。半世紀で0.7度も下がっているんです。体温が1度下がると体の免疫力は3割低下するといわれていますから、0.7度という数字は決して小さくありません。

がん細胞は低温を好む 熱利用で癌退治

吉村 がん細胞は低温を好む性質があって、特に活発に増えるのが35度前後、逆に42度の熱で死滅することが明らかになっています。熱を利用してがんを退治するのが温熱療法であり、当院で導入しているマイクロウェーブがん治療もその一つです。

また体温が下がるというのは簡単に言えば、血液がドロドロ状態になる、血流が悪くなるということです。心臓の血流が悪くなると心筋梗塞になります。それが頭の場合は脳梗塞になる。肩こりだって血液がうっ血しておこりますから、がんだけに限らず、全ての疾病に関係しているんです。

なぜ低体温の人が増えたのか

吉村 三つの原因があります。一つは「生活環境の変化」二つが「食習慣の変化」。三つが「運動量の低下」です。まず「生活環境の変化」ですが、昔は風通しの良い木造家屋が多く、夏でも涼しく過ごすことが出来ました。一方、今の建物はコンクリートで密閉された構造のため、熱がこもりやすく、夏は常時冷房していないと生活できないくらいです。夏は汗をかいて熱を逃がさないといけないのに。冷房の中にいると毛穴は閉じて血管も縮んでしまう。その上長時間のデスクワークで血流はさらに悪くなります。また、室内外の温度差が激しいため、体温調節の機能が不安定になり、自律神経にも異常をきたしてしまいます。

「食習慣」に関して言いますと、戦後日本人の食べ物はガラッと変わりました。もともと日本人は味噌や醤油などの発酵したもの、玄米や雑穀、魚、海藻をよく食べていましたが、戦後は食べ物も欧米化し、パンやスパゲッティ、お肉など消化の悪いものを食べるようになったのです。また、レトルト、冷凍、インスタントなどの手軽で安価な加工食品が多く出回るようになりました。これらの食べ物には塩分や糖分、脂肪、防腐剤や人工甘味料といった添加物が多く含まれています。それを電子レンジでチンすれば食べ物を熱エネルギーに換えるのに必要なビタミンやミネラルなどの栄養素は壊れるんです。

それから、体を冷やす食べ物を一年中食べることも挙げられます。昔の人は、夏になると旬のトマトやキュウリ、なす、メロンなどを摂取し、火照った体を冷やしていました。反対に、秋冬に旬を迎えるダイコン、ニンジン、ゴボウ、レンコンなどの根菜類は体を温めます。

ところが、スーパーには一年をとおしてすべての野菜・果物が並んでいます。バナナやパイナップル、マンゴー、キウイといった体を冷やす南国系の果物もそうです。旬のものを食することは大事です。

あとは、白砂糖や食塩は減らした方がいいです。天然の塩はマグネシウムやミネラルが入っているから適量なら問題ないですが、食塩は(Nacl)は化学調味料だから駄目です。また、欧米では厳しく規制されているのに、日本では全く規制されていない、体を冷やす代表格がトランス脂肪酸です。

トランス脂肪酸入り食品を避け、自然の食材を

これはアレルギー疾患や糖尿病、動脈硬化、心臓疾患、がん、不妊の原因と言われているにもかかわらず、マーガリンやマヨネーズ、スナック菓子、ケーキ、ドーナツ、菓子パンなど実に多くの馴染み深い食品に入っています。自然の食材で自然の味を楽しむことが大事です。自然に即した食生活・生き方をすると体が喜ぶんです。

 自分が乳がんになっていろんなことが見えてきた

吉村 今から10年ほど前のことです。2001年から静岡県三島市で開業していたのですが、その当時はストレスがものすごく強くて、ほとんど寝てない状態でした。私の医療法に共感してくれる医師はいなかったし、医師会からも異端児のように見られていました。例えば高濃度ビタミンC点滴療法でも、治療効果が認められている論文があるのに、私がその治療をしていたら、「あなたは患者さんに何をしているのですか」「それでも医者ですか」ってメチャメチャな言葉をはかれました。プライベートでも、父と叔父が立て続けに亡くなり、主人ともうまくいかなくなり・・もうこのまま死ぬかもしれないと思うくらいストレスは最高潮でした。

その頃、胸にしこりがあると感じていましたが、放っておいたんです。と言うよりも自分の事を構う暇がなかった。精神的にボロボロの状態でも末期のがん患者さんを診なくてはいけなかったから。やっとひと段落した時にはしこりがすごく大きくなっていたんです。それで初めて病院に行き、自分でも分かってはいたんですが念のために検査をしたら、左右両方に浸潤があり、リンパ節にも転移していました。私自身は手術はしたくありませんでしたが、息子の言葉に手術だけはしました。その時に、今当院で取り入れている治療をすべてやりました。そうやって免疫力を高め、体温を上げたことで、10年経ったいまでも再発はありません。

ですから、すべて自分が体験して、ここのクリニックのやりかたを確立したのです。

病気を治すのは患者さん自身

吉村 一部の先生たちは、西洋医学だけでは病気は治せないと気付いて代替療法をとりいれていますが、大半のお医者さんは、そういう勉強をしないで代替え医療は効かないなどと平気でおっしゃいます。例えば、抗がん剤治療で何人治ったか、ちゃんとしたデーターがないんですよ。一時的には治ったように見えるだけで、後々再発することが多い。そのあとは三大治療はお手上げで、ホスピス行きが多い。

こういう患者さんもいらっしゃいました。大腸がんの患者庵で、高濃度ビタミンC点滴療法で回復してきました。良くなってきたものだから、もとの主治医の所に行ったんです。そうしたら「いま抗がん剤をした方がいいですよ」と。私は絶対しないように言いましたし、本人もしたくなかったようでしたが、奥さんと息子さんに説得されてやってしまった。その方は不幸に抗がん剤を点滴してから、2週間後に亡くなられました。

その一方、末期の胃がんでもう何もすることは無い(打つ手はない)と言われ、うちに来ましたが、それでも私の言う通りに治療をしていったら半年ですごく元気になって、再検査をしたらがんが消えてしまっていました。他にも、乳がんの骨転移で車いすに乗っていた患者さんがいました。その方は抗がん剤治療をしていたが治らないと言う事でうちに来ました。歩けなかったんですが、今ではダンスが出来るくらい回復しました。

 

 

 

 

 

オフィシャルサイトに戻る