日本と世界のがん治療最前線

遅れる日本のがん対応

がん登録

国民の3人に1人ががんで亡くなっています。科学的な根拠に基づいた対応がもとめられていますが、それに役立つのが、罹患率や治療成績を集めて分析する「がん登録」制度です。しかしながら、2006年6月に成立した「がん対策基本法」では個人情報保護の観点から、国レベルの制度化が見送られました。患者や家族を対象にしたある調査では、8割が導入に賛成しています。

がん登録は、がんと診断された患者を把握し、患者数や種類、治療内容や生存率をデータベース化する制度です。治療法や検診の有効性を分析でき、地域の特性も分かってきます。

法制化の米国では死亡率減少

米国では、がん登録システムは殆んどが民間企業が運営を行っています。バラバラにデータを取っても比較できない為、登録データの集め方を標準化し、登録システムを作って病院や各州に提供しているそうです。米国では皆が情報を共有し、最適な治療法を開発、選択するのが当然との雰囲気があり、実際に死亡率も減少しているそうです。

がん登録に理解を

国立がんセンターの祖父江情報研究部長は,「がんという敵の姿を知ってこそ戦える。その為に登録制度はかかせない。情報を持たない今の制度は、逆に患者の命を縮める恐れもある」とおっしゃっています。
 厚生労働省は「がん登録は個人情報保護法適用外}としていますが、情報保護などを理由に協力しない病院も多く、世界と比べ制度も悪いのが実情です。
 実際に、市町村に出された死亡票で初めてがん患者だったと分かるケースが患者全体の2〜3割を占めるそうで、登録を義務付けている米国では5%以下になっています。

06年7月に東大病院の中川恵一・緩和ケア診療部長が、同病院を受診した患者や家族、がんに関する講演会出席者、医療関係者270人にアンケートしたところ、「がん登録に賛成する」と答えた人は82.2%に上がったそうです。

がん登録は研究や治療、死亡率減少に欠かせないものです。完全な法制化をしてもらいたいと思います。

新薬開発

日本の抗がん剤開発は欧米に比べ、「周回遅れ」になっているそうです。国際共同治験に加わるのが遅れ、有効な新薬の導入も国際的に遅れをとっている様です。

例として、1976年に名古屋市立大学の喜谷義徳名誉教授グループにより開発された、大腸がんに有効な「オキサリプラチン」は、日本の製薬会社が臨床試験をしていましたが途中で断念し、欧州の製薬会社が製品化し、フランスで96年に、米国でも02年に承認されましたが、日本に輸入承認されたのは05年だそうです。日本生まれの抗がん剤は、欧州の製薬会社により製品化され、逆輸入されています。複雑な戦略が必要となる抗がん剤開発。海外に対する遅れを取り戻す為、産官学の英知を結集しょうと、2006年3月にやっと「抗悪性腫瘍薬開発フォーラム」が設立されました。

日本は抗がん剤治療薬に関しては「鎖国状態」だそうです。日本発の抗がん剤をもっと開発し、海外で効能が認められた抗がん剤は早く輸入許可を貰いたいものです。

随時、学会や新聞、専門誌等で発表、紹介された記事、論文等紹介してまいりたいと思っております。

切らずに治す最先端療法「重粒子線治療」

切らずに治す粒子線治療は、体の機能や形態の欠損が少なく、社会復帰支障が残らないなどQOL(生活の質)が損なわれないため、新しい治療法として注目されています。

放射線治療との大きな違いは、放射線はがん細胞を死滅させる事ができますが、同様に正常細胞も死んでしまいます。そこで、重粒子線治療が優れているのは、がん細胞だけを狙って強い放射線を当てることができるという点です。この方法ですと、正常細胞への影響は少なく、がん細胞だけを死滅させる事ができます。

<重粒子線治療の大きな特徴>
■痛みを伴わない
■臓器の機能や体の欠損が少ない
■容姿、容貌を損なわず、傷跡も残らない
■高齢者にも適応できる
■副作用がすくない
■早期なら根治可能
■X線では治療困難な、深部がんにも適応
■社会復帰までの時間が短い

しかしながら、保険がききませんので個人負担が300万円以上の高額負担となります。当会が配布している無料資料には、上記治療を実施している病院をご紹介しております。ご興味がある方は資料でご確認ください。

ガンを克服する会−自然治癒を目指して、体験者からのお便り便